エンジンルームからの異音
実は、前回の車検以前からエンジンルームからキュルキュルと音がしていました。整備士さんにも確認してもらいましたが、やはりエンジンVベルトの劣化ということでした。たちまち切れることはないでしょうけど、交換時期なのは間違いありません。
ベルトの取り回しは上記の通りです。
クランクシャフトから、エアコンコンプレッサーに1本
クランクシャフトから、オルターネーター・ファンに2本
掛けられています。
エアコンのベルトが切れてもエアコンが使えないだけですが、オルターネーターのベルトが切れると走行できなくなります。だからベルト2本掛けなのでしょう。
交換前はこんな感じでした。
キュルキュルとうるさいでしょう。
ヤバいなあヤバいなあ・・・と思いながら数ヶ月放置してましたから。わはは。
切れる寸前ってどんな状態なのでしょうね。
Vベルト注文
純正部品は管理料が上乗せされているので高価です。専用部品ならば仕方ありませんが、Vベルトは現在でも汎用品が製造されています。
純正部品
エアコンコンプレッサー
99332-11260 2300円
オルタネーター ×2本
90916-02452 4590円 (2本入)
合計6890円
DJ代替品
エアコンコンプレッサー
V98DL-A490 829円 (三ツ星品番 RECMF-1395)
オルタネーター
V98DC-M395 569円 ×2 (三ツ星品番 MPMF-6490)
合計1967円
全く違うでしょう。しかもどちらも三ツ星という日本のメーカーが製造したモノです。製品への表記は異なりますが同等品です。純正部品にこだわる意味はほぼ無いと思います。ディーラーに交換をお願いすると、純正部品+工賃ですから約16000円くらいになります。
Vベルト交換
ランクル70は僻地で修理されることを考慮して、整備性が高く設計されています。Vベルトもボルト5本を緩め締めることで交換できます。
整備自体は簡単ですが、12・14mmソケットレンチ(メガネレンチ)は最低限必要ですし、全く整備したこともない人にオススメすることではありません。以下の作業は自己責任でお願いします。万が一取り付け不良などがあると走行不能になるおそれがあります。
エアコンベルト外し
まずアイドラープーリーを緩めます。
A(赤)のプーリーを固定しているボルトを緩めます。
B(緑)のボルトを緩めると、プーリーが下がり、Vベルトが緩みます。
Vベルトがプーリーから外れたら、ファンの羽根をかわしながらラジエターとの隙間から抜き取ります。
Vベルトは、ひび割れて剥離も始まっていました。これが少しずつ進行していつか切れるのでしょう。
オルターネーターベルト外し
オルターネーター上の、B(黄)ボルトを緩めます。
オルターネーター下の、A(青)ボルトを緩めます。車両下に潜って、ラテラルロッドその他のロッドの間からボルトにアクセスします。
オルターネーター上の、C(紫)ボルトを緩めます。このボルトをギリギリまで緩めて、オルターネーターをエンジン側に寄せると、Vベルトが外れます。ただし掛かりが残るので、プラスチックのヘラなどを使いながら外します。意外にコツが入ります。力技でも良いですけど、プーリー接触面などに傷をつけないように注意します。
Vベルトがプーリーから外れたら、ファンの羽根をかわしながらラジエターとの隙間から抜き取ります。
こちらのVベルトにもひび割れはありませしたが、まだ使えそうな感じでした。もちろん同時交換します。
ちょいと掃除
私はメンテナンスするついでに周辺を掃除するようにしています。今回だとアイドラープーリーは分解できるので、パーツクリーナーで洗浄しました。アイドラープーリーセンターのベアリングにはパーツクリーナーは厳禁です。ベアリングはガタもなくスムーズに回るので再使用しています。
各プーリーのVベルト接地面をチェックします。状態は悪くないのでパーツクリーナーで表面を洗って脱脂しておきます。
オルターネータープーリー根元がサビていたので、サビ転換剤を塗布しておきます。機能には関係ありませんが、気持ちの問題です。
オルターネーターベルト組立て
逆の手順で、新しいオルターネーターベルトをプーリーに入れます。
ここが一番大変なところです。オルターネーターのアジャストボルトC(紫)を一番緩めても掛かりが残るので、ベルトの弾性を利用してどうにか入れるしかありません。狭い場所ですし、新品のベルトを傷つけるわけにはいきません。
私は内張り剥がし用のプラスチックヘラを使いました。
Vベルトが入ったら、アジャストボルトC(青)を締め込んで、Vベルトにテンションを掛けます。
ベルトの張り具合はたわみ量は、オルターネータープーリーとファンプーリーの中央を10kgで押したときに6~7mmということですが、測定器具が無いので分かりません。
緩すぎると滑りますし、締めすぎるとパワーを無駄にしますし最悪ベルトの寿命を極端に縮めてしまうでしょう。
ベルト交換する前のアジャストボルトC(紫)の位置を覚えておいて、その位置よりすこし緩めにすると良い感じだと思う(新品ベルトは伸びてないので)あとは押した感じで判断するけど、これは曖昧かもしれません。
オルターネーター上の、B(黄)ボルトを締めます。
オルターネーター下の、A(青)ボルトを締めます。
再度ベルトのテンションを確認します。
エアコンベルト組立て
アイドラープーリーが外れるので、こちらのVベルトの装着は簡単です。
アイドラープーリーのシャフトには薄くグリスを塗ってから組み付けました。
B(緑)のボルトを締めこんで、ベルトにテンションを掛けていきます。
本来は、クランクシャフトプーリーとエアコンプーリーの中央でテンションゲージで張力測定(40~60kg)、そして10kgで押したときのたわみ量(12~16mm)に調整するのですけど測定器具がないので、アジャストボルト位置と押した感じで調整しました。アジャスト位置を元の位置より少し緩めくらいにしておけば問題ないと思います。わはは。自己責任でお願いします。
A(赤)のプーリーを固定しているボルトを締めます。
少なくともこんな張力計が必要なのだと思う。
・・・と思ってたらiphoneで使えるこんなアプリがありました。
無料なので次の休みに再度調整してみようと思います。
交換後はこんな感じになりました。
どうですか。
静かになったでしょう。ベルトのブレも少なくなったように見えます。
まとめ
キュルキュル音が無くなったことでまずは一安心です。
本来ならきちんとたわみ量を測定してテンション調整するべきなのですが、適当に調整してしまいました。まあ外れることはないでしょうけど、パワーは食われているかもしれません。もう少しVベルトの調整方法について勉強してみようと思います。上記のアプリも使ってみて記事を追加しますね。