今日もランクル日和

40代からはじめる素敵なランクル生活

私とモノづくり【第七話】

モノづくりの心得

一つ、鉄は熱いうちに打て

イデアを思いついたときに行動しなければならない。後回しにした瞬間から熱意が低下していく。モノづくりはモチベーションを維持することが重要なのである。モチベーションさえ維持できれば、モノはいつか完成する。もちろん部品が手に入らなかったり、良い方法が思いつかなかったり、コストの折り合いがつかなかったりと一時的に停滞することも多々ある。しかしその壁を乗り越えていく力もモチベーションなのである。

私はズボラなので硬くなってしまったネタは大量にある。実際に使えるアイデアなんて一握りなのだけど、お蔵入りになったネタを再使用することもある。何かのきっかけでモチベーションが再燃すればネタも柔らかくなっていくのだ。

一つ、完璧でなくていい

私は実力もないのに完璧主義なところがあった。自分の思い通りに行かなかったら諦めて放棄してしまう。そのまま作れば良いのに無理な加工をして途中辞めになったプラモデルは数知れず。果てはクルマ一台のレストアに挫折してしまった。さすがにこの時は自分の実力のなさを認めるしかなかった。技術・気力・資金の全てが足りなかった。無謀で世間知らずなのは変わらないけど、歳を取るにつれて自分の身の丈が分かるようになってきた。概ねどのくらいのことが自分にできるか想定すると、モノづくりも上手くいくようになった。

大事なのは完璧なモノをつくろうとしないことだ。興味があれば他の人の作品も見るようになる。見るのは簡単だし好きなモノはいくら見ても飽きない。見るほどにモノについて詳しくなり目は肥えてくるのである。

仕事にしろ趣味にしろ、その道の一流プロフェッショナルが大勢いる。自分には想像できない工程でとんでもないモノをつくる人がいる。それを目標にするのは良いことだけど、まずは自分がつくれるモノを理解しなければならない。

どんなに良いアイデアを思いつき図面に起こしたとしても、実際に製作しなければモノは存在しないのと同じである。現段階の技術でとりあえずカタチにすることが重要なのである。カタチにさえしてしまえばモノは存在し、実際に使ってみることができる。使えば改良点が見つかるだろうし、再製作すればさらに完成度は上がるだろう。

誰でも繰り返しモノを完成させていくことで技術は上がっていくのである。妥協やゴリ押ししてでもカタチにしてしまうことが必要なのだ。たとえ失敗しても次回の課題にすれば良いだけである。失敗の経験値はとても大きい。

一つ、投資を惜しまない

人それぞれ考え方があると思う。つくるモノによっても必要な資金は変わるだろう。私のモノづくりは趣味であるが、ある程度良い道具を探して購入している。素人の工作にプロ用の道具は不要とも言われるが、半分本当で半分嘘だと思う。初めて使う道具は何を選べは良いのか分からないのでとりあえず安価なものを選ぶが、いざ使って見ると使いにくかったり、物足りなかったり、耐久力がなかったりする。さらに快適な作業を求めて買い直すことも多い。良い道具は使いやすく作業効率が上がることが多い。つくるモノの品質も上がる。

逆にプロ用の道具は素人には不要な機能があったり調整範囲が広く細かくできたりする。使うのに技術が必要な道具もある。これらは素人の趣味程度では宝の持ち腐れになる。道具収集も趣味になるからお金がある人はつぎ込めば良いと思う。私は欲しいモノを手に入れることが目的なので、道具は自分の求めるレベルに達していればよいタイプである。あれこれ道具の話をするのは楽しいけどね。

また普段からモノをつくるための材料・部品・道具などの情報を仕入れるようにする。書籍やカタログを入手したり、ネット検索したり、お店の人や他の製作者の話を聞いたりする。これもモノづくりには非常に大事なこと。この情報量でモノづくりのレベルが変わってしまうのだ。現在は素人でも資金さえあればなんでも手に入ると言っても過言ではない。モノづくりはそれら無限にある素材の組み合わせなのである。

上記の投資(お金・時間)を惜しんではならないと思う。もちろん自分が趣味に使えるだけであるが、投資をすることで確実に自分の製作レベルは上がるし、モノづくりのモチベーションも上がることになるのだ。

一つ、モノづくりは楽しい

私は小さい頃からモノづくりが大好きである。いまだに熱中してゾーンに入ると、ご飯を食べることも忘れて何時間も作業してしまう。曲がりなりにも家族を養っているので、自分の時間は仕事から帰ってからの夜遅くか、休日に家族が他の用事で出かけているときくらいである。

ある程度図面を書いて、初回製作が一番楽しい。実際に製作しながら工程や材料を調整する。これまでの経験値によるアドリブが生きてくるのもこの時である。量産化して同じ作業の繰り返しになると修行としか思えない苦しさなのだけど、マシンと化して無心で数をこなすと見えてくるものがある。間違いなく加工技術は向上する。数物をこなす職人が上手いのは、触覚を記憶し自在に再現することができるからだと思う。

人は楽しいことしか長続きしないからモノづくりも適性があると言えるだろう。