製品の説明はこちらです。
取付・取扱説明書(純正ハザードスイッチ仕様)
準備
電装品をいじるときの基本。バッテリーからマイナスターミナルを外します。ランクル76は並列で2個つながっているので、両方のマイナスターミナルを外します。マイナスターミナルが端子に触れると火花が飛ぶので、当たらないように養生しておきます。
インパネ分解
純正ハザードを組み込むためにインパネを外します。
インパネは6個のネジで固定されています。
赤矢印の位置にネジがあります。
2番のプラスドライバーで赤矢印のネジを外します。
古い車両はネジが固くなっているので、刃先の摩耗していないドライバーを奥までしっかりと差し込んで回してください。
ネジを全て外すとインパネが外れます。
車種によってコネクターの本数は異なります。
私のランドクルーザー76(2000年式)は、左から
・シガーライターソケット
・灰皿照明
・デジタル時計
・リアデフォッガースイッチ
・インパネ照明
・リアワイパーウォッシャースイッチ
コネクターを外さなくても作業はできますが、配線を通しにくいので外したほうが確実です。
コラム下分解
ケーブル接続作業は、上記写真のハンドルコラム下のコネクターです。(赤で囲んだコネクター)
わかりやすくコラムカバーを外していますが、実際にはコラムカバーは外す必要はありません。
ただしコネクター下の空調ダクトは邪魔になるので外します。
給油口レバー固定ボルトに空調ダクトのステーが共締めされているので、ボルトを2本とも外します。
空調ダクトの両端は差し込まれているだけなので、少し動かすと外れます。結構汚れているしスポンジも劣化しているので、この機会に分解・洗浄、スポンジの交換をしておくと良いでしょう。
ハザードスイッチ設置
ハザードスイッチからのケーブル4本(橙・赤・赤黒・黒)を配線します。
上写真はわかりやすくハザードスイッチを合成していますが、ケーブルはコネクターで接続されているので、コネクターを切り離して作業します。
橙は、後述するリレーに接続するためにインパネの裏側の隙間から斜め上に向かって配線します。赤も同じくインパネの裏側の隙間から斜め上に向かってあ配線します。
黒はアースなのでボディ鋼板のどこに落としても良いのですが、私は管理しやすいように分かりやすい位置に集約しています。(後付け電装品の系統ごとにまとめています)ケーブルを適当な長さに切断して、端部を付属の丸形端子をカシメて接続します。
赤黒はイルミ電源に接続します。どこにつなげても構いませんが、灰皿照明やインパネ照明の緑線から分岐するのが簡単です。
リレー設置
純正の(フラッシャー)リレーはハンドルコラム下に剥き出し並べられているので簡単にアクセスできます。新しく増設するハザードリレーは、純正リレーの横に設置します。
リレーは上写真のスチールステーを使って固定します。リレーが当たるところにスポンジを貼っています。また結束バンドベースを背面に貼り付けてありますので、リレーを結束バンドで固定できるようになっています(リレーの結束バンド固定は後述の配線通しが終わってからです)
純正リレーステーの下に、リレー固定スチールステーを挟み、純正リレーステーの取付ボルトで共締めします。
ハンドルコラムに接触しないような位置に調整します。(写真はプロトタイプなのでスポンジ・結束バンドベースがついてません)
リレーを固定する前に、ケーブルを配線します。
全体配線イメージです。
リレーにつながっているケーブル(薄緑・赤・緑・黃・白)をステアリングシャフト裏側からコラム下までのメインハーネスに添わせて配線します。
リレーにつながっている黒をアースに接続します。前述ハザードスイッチの黒と同様の処理をします。私は同じ位置に接続しました。
ハザードスイッチからの橙をリレー7番に接続します。適当な長さに切断して、付属の平型を橙の端部にカシメてリレーに接続します。他の平端子と同様に熱収縮チューブで絶縁しておきます。
ハザードスイッチからの赤を、リレーにつながっている赤に接続します。どこで接続しても良いので、作業がしやすいところで赤は1本に集約します。
すべてケーブルを概ねの位置に通したら、リレーを結束バンドで固定します。
リレーを固定する前に再度リレーにつながっているケーブルに無理がないことを確認しておきます。
結束バンドは少しキツめに締め上げてください。スポンジがつぶれて反発力と摩擦力で固定されます。ゆるいとリレーが動きます。
(写真はプロトタイプなのでリレーが両面テープで固定されています)
配線接続
純正コンビネーションスイッチにつながるコネクターをバラしながら、1本1本配線接続していきます。
外れ止めを押しながらコネクターを引っ張ると外れます。
ビニールカバーを外します。
リレーからのケーブルをメインハーネスに添わせてクラッチやブレーキリンケージなどの可動部分にあたらないようにコネクターまで持ってきます。
コネクターを付けたまま接続することもできますが、ケーブルが短くやりにくいのでコネクターから端子を外します。
真ん中のグレー部分がロックなので、赤矢印のレバーを押し込みながらグレーの部品を持ち上げます。ケーブルも干渉するので外側に広げます。これは少しコツがいります。レバーを押し込めるような精密マイナスドライバーなどの細い棒(板)が必要になります。
グレーの端子押さえが外れました。
接続作業をするケーブルの爪(赤矢印)を精密マイナスドライバーなどで押し上げたままケーブルを引っ張ると端子が外れます。
外すのは、1番(黄緑/黒)、3番(緑/白)、7番(緑/赤)、8番(緑/黄)、9番(緑/黒)ですが、全て外してしまうと元の場所が分からなくなるので、1つコネクターから外す→配線接続→コネクターに戻すを繰り返します。
今回は、7番(緑/赤)だけケーブルカットします。勇気が入りますがエイヤ!っと真ん中あたりで切断します。
スプライス端子の接続方法は各自のやりかたにお任せします。今回は狭いのでエレクトロタップは使えません。付属のスプライス端子を電工ペンチでカシメるか、ハンダ付けして接続してください。
梨地テープで絶縁します。熱収縮チューブでも構いません(ここの熱収縮チューブは付属してませんので別途お求めください)
【ここ重要】
コネクター側(緑/赤)にリレー番号1 薄緑 を結線
本体側(緑/赤)にリレー番号5 緑 を結線します。
間違えないように!
このとき緊急用ギボシ端子をつくっておくと万が一リレーが故障したときに、即時回路切り離しができ純正ハザードが使えるようになります。
緊急時にキボシ端子を繋げば、純正回路に戻ります。
ここにスイッチ(許容電流5A以上)をつければもっと簡単に復旧できますが、いまのところギボシ端子程度の保険で問題ないと考えてます。
上写真では、ギボシの位置がコネクターに近すぎて復旧しにくいので、もう少し伸ばして、メインハーネスに添わせておけば、手探りでも復旧できると思います。ここは個人の考え方で判断してください。
ギボシオス端子は、梨地テープで絶縁しておきます。
7番(緑/赤)以外は、分断せずに接続なので、ワイヤーストリッパーを使えば簡単です。
接続するケーブルを絡めてスプライスをカシメて梨地テープ絶縁します。
すべての結線が終わったところです。
先に外したグレーの端子押さえを元に戻します。
これ忘れがち!
ビニールカバーを被せて、梨地テープで固定します。
コネクターを元通りに差し込みます。
結線したケーブルをまとめて、本体側メインハーネスに結束バンドで固定します。
作動チェック
すべてのケーブルの接続を再度確認します。問題なければバッテリーのマイナス端子を接続します。
増設したハザードスイッチを押して、4つともウインカーが点滅すれば成功です!
うまくいかないようでしたら、ケーブルの接続状態を再度確認します。
純正のハザードも使えます。こちらも作動確認してください。
暗いところでイルミONにしてハザードスイッチの表示が光っていることも確認します。
内装組み立て
インパネ・空調ダクトをバラした逆の手順で組み立てます。ケーブルを挟まないように注意してください。
これで完成です。
お疲れ様でした。
心ゆくまでハザードスイッチを押してください。ただし走行中意味もなく押してはダメです。押したくなる気持ちもわかります。そして道を譲ってくれてハザードで答えたとき、押しやすさに感動するはずです。もう純正には戻れませんよ。