今日もランクル日和

40代からはじめる素敵なランクル生活

愛用している電装工具

主要な電装工具

高校生の頃から、クルマやオートバイの電装品をいじるのが好きで、工具や部品を購入してきた。長く続けている割には、あまり上達もしていない、頭も良くないので電気の工学的な話はいまだにチンプンカンプンである。


今回は、私が愛用している電装工具の一部を紹介したい。電装品いじりするのに最低限必要な工具を優先する。

ニッパー

ケイバ(KEIBA) マイクロニッパー MN-A05

ケイバ(KEIBA) マイクロニッパー MN-A05

 

電線を切断だけなら、どこの家にもある工作ハサミで良い。しかし優れたニッパーは、まるでチーズのようにスルッと切れるのである。決してパチンパチンと切れ端がぶっ飛んでいくことはない。

KEIBA(マルト長谷川工作所)は、新潟県三条市の有名な刃物メーカー。知っている人ならペンチやニッパーはKEIBAかフジ矢というイメージだろう。他の国産メーカーやクニペックスなどの舶来メーカーもあるけど、私はなんとなくKEIBAを選んでしまう。

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激安ニッパーと違うのは、鋭い切れ味と刃先の精度である。使い心地が良いだけではない。クルマの電線はいつも切りやすい位置にあるとは限らない。軽い力で切断できるニッパーは、奥まった場所で使うときに真価を発揮するのである。

新品をおろしたら、電線・結束バンド以外は切らない。切れ味を維持するためだ。固いプラスチックやアルミなどを加工するときは、使い古しのニッパーか違う工具を使う。下に落とさないように注意する。アスファルトの上に刃先を落としたら終わりだ。

私は MN-A05 という中間サイズを使用している。クルマやオートバイの電線は0.2スケアか0.5スケアがほとんどなので、もう1つ小さいサイズでも良いのだが、手の大きさ的に握りやすいサイズを選んでいる。


ワイヤーストリッパー

以前は、電工ペンチについているストリッパーを使っていたけど、コレを使いだしたら元には戻れなくなった(笑)もっと早くから購入しておけば良かったと後悔するくらい便利。

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電装いじりは、ひたすら被覆剥きなのだ。慣れたら早くなるけど、銅線が切れてしまう失敗は何度も経験している。1本くらい銅線が切れても大した問題にはならないけど、間違いなく性能は落ちる。

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このワイヤーストリッパーは、セットしてハンドルを握れば、自動的に被覆を剥いてくれる。1本2本なら大して変わらないけど、何本も被覆を剥いたときに買ってよかったと実感するのだ。

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さらにこのワイヤーストリッパーが凄いのは、写真のように電線中間部で被覆を剥く(寄せる)ことができるのである。私はエレクトロタップが大嫌いなので、スプライス端子で分岐を取るときに大変便利なのだ。いままではニッパーでチマチマ加工してたけど、このワイヤーストリッパーなら一瞬である。

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万能なワイヤーストリッパーだが欠点もある。それは被覆にキズが付くこと。キズが銅線まで貫通することはほとんどないし、スプライス端子の分岐にはビニルテープを巻くので問題ない。構造上仕方ないことだが、プロは被覆にキズをつけてはならないらしいので使えない工具なのだ。

ともあれ電装いじり趣味の人には是非オススメしたい工具である。

 

電工ペンチ

エビ 電装圧着工具FKシリーズ FK1

エビ 電装圧着工具FKシリーズ FK1

 

私はかなり昔にカー用品店で買った。随分使い込んでいるのでハンドルの文字が消えてしまっている。OEM製品だったかもしれないけど、おそらく上記と同じロブテックス製だと思う。何度カシメたか分からないけど、ヒンジのガタは全くない。

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色んな機能があるけど、使うのはオープンバレル端子(平・ギボシ端子など)の圧着がメインである。ワイヤーストリッパーやニッパーも使えないことはないけど、取り回しが悪く切れ味も悪いから作業は難しい。前述の専用工具を使ったほうが圧倒的に効率が高い。

ハーネスつくっているプロは非常に高価な専用工具を使っているようだが、趣味で使うなら下記商品くらいが限界かな。先端のダイスを変えることで、市販しているほとんどの端子に対応しているみたい。

エンジニア 精密圧着ペンチ ダイス交換式 オープンバレル端子用 PAD-13

エンジニア 精密圧着ペンチ ダイス交換式 オープンバレル端子用 PAD-13

 

 

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クルマやオートバイの電装いじりなら、接続用のキボシ端子・平端子・アース端子、分岐用のスプライス端子くらいである。2スケアまでの電線に対応する。

一時期はやったアーシング用の端子は大きすぎてカシメることはできない。別の専用工具が必要。

電工ペンチは使うのに少々慣れが必要。端子自体もメーカーやロットによって大きさが違うこともあり。爪を動かして微調整が必要なこともある。

電線を端子にしっかり固定できれば良いのだ。実際にギボシ端子を固定してみる。

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端子をダイスに置くときは真っ直ぐにして、幅が広いところは数回に分けてカシメる。

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爪がきれいにカールしていることを確認する。

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根元のカシメは斜めに入れると失敗する。爪が広がり気味の端子はつまんで少し調整してやると成功率が上がる。

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外の爪は抜け防止でもあるので、しっかりと電線に食い込んでいることが重要。安物工具でもこのくらいのクオリティでカシメることが可能なのだ。

電線の中間分岐も多用するだろう。エレクトロタップが簡単で、業者も時間短縮でよく使ってるけど、私は嫌いだ。無駄にでかいし接触不良が確認できないからだ。

 

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ここにハンダを流し込めば、強固な接合ができるが、よほど重要で太い電線でないとハンダは使わない。時間は有限であり、信頼できて恒久的な接合ができればよいのだ。

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中間分岐のほとんどはスプライス端子を使う。

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ちょいと電線部が太かったけど、なんとかカシメも効いている。

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ビニルテープは、矢崎の梨地テープしかないだろう。もう他のビニテは使えない。

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テープ巻いて完成。なんか雑な巻き方だけど、分岐がスッキリしているのが良い。

ドライバー

私は古いPBのドライバーを使っている。安価なVESSELなどの国産でも使えるのだが、1本あたり数百円の差くらいしかない。PBのドライバーはねじ溝によくグリップするのである。些細な違いだけど、奥まったねじを回すときなどにグリップする良さが分かるだろう。

クルマ・オートバイのねじは99%プラスねじなので、マイナスドライバーは無くても構わない。

プラスドライバーは、大きいサイズから、No.3、No.2、No.1、No.0、の4種がある。ほとんどは No.2 を使うので、これだけでも良いモノを買ったほうが良いだろう。頻繁に整備する人は消耗するのも早いので、そこそこのモノを早めに買い換えていく考え方もあるだろう。

No.0 は、ほとんど使うことはない。
No.1 は、No.2の次に使う機会が多いから必要である。
No.3 は、ドアアーム固定など、たまにしか出番がないけど、あったほうが良い。

最初は、プラスドライバーの No.2 と No.1 を購入して、必要に迫られたら追加購入で良いだろう。

ベッセル(VESSEL) ベクトルスタビードライバー プラス2×15 No.B-270
 

 狭い場所は、こういう短いスタビドライバーも必要になることもある。


内張り剥がし 

【Amazon.co.jp 限定】エーモン 内張りはがし ポリプロピレン製ソフトタイプ 4935
 
エーモン 内張りはがし(S)青 プラスチック製ハードタイプ 1425

エーモン 内張りはがし(S)青 プラスチック製ハードタイプ 1425

 

 コレ無くても、強引にバリバリと内張りを剥がすこともできるけど、高確率でプラクリップが壊れます。プラクリップなら部品注文すればいいけど、内張りの固定穴のほうが壊れちゃうと面倒くさいことになります。

今は色んな種類の内張り剥がしセットが安価に売っているようです。レビューを見ても悪くはなさそうなので、試しに買ってみてもいいかな。耐久力は分かりませんが。

ランクル70の設計は古いので、クリップ留めの内張りが少なくシンプルで分かりやすい。だから隙間に突っ込むヘラだけで事足りるのだ。ダッシュボードはほとんどプラスねじ固定だしね。

・・・とか言いながら、2、3個プラクリップを割ったけど(笑)

 

電装品いじりは楽しい

他にも配線通しや、ハンダコテや、ガストーチ・・・などの工具があるけど、今回は省略する。また実際に作業するには各種端子・電線・ビニールテープ・結束バンドなどの消耗品も必要になる。これもまた機会があれば紹介しようと思う。

必要なモノから徐々に揃えていけば良い。私も足りないモノをその都度買い足していったのだ。そもそも最初から何が必要なのか分かるはずもない。失敗したり壁にぶつかりながら試行錯誤した結果、道具が増えていったに過ぎない。

自分が思い描いた結果にするために、何が必要か考えることが大事なのだ。その経験値が増えるほどに、作業は早くなり高度な作業ができるようになるのだ。

事前のシミュレーションも重要である。段取り八分は本当なのだ。オジサンになると使える時間も少ない。綿密なシミュレーションが実作業時間を短縮する。

良い道具は作業効率が上がり時間短縮になる。時間を買うと考えると価格も安く感じると思う。お小遣いと作業内容を考えてベストな工具を選択できれば幸いである。