今日もランクル日和

40代からはじめる素敵なランクル生活

リアバンパー・サイドステップ周りのレストア(その2)


前回の続き。

landcruiser76.hatenablog.com

 

サイドステップのレストア

今回のメインとなる作業で一番手間と時間が掛かりました。

リベット外し

f:id:shiratsume:20200521200627j:plain

サビサビのステー受けベースを外します。

f:id:shiratsume:20200521202353j:plain

φ4.0のリベットで固定されているので、3.5mm程度のドリルで穴を開ければ破壊できます。

f:id:shiratsume:20200521202932j:plain


貫通すれば、たいがいスリーブの圧着部が外れます。このとき押し付けすぎるとアルミステップ自体に穴が開いて泣くことになります。ははは。
丁寧な作業をするなら、リベットの下に不要な鉄板でも置いておくと失敗は防げるでしょう。

f:id:shiratsume:20200521202735j:plain

分断しても頭やスリーブ圧着部が外れない場合があります。この場合は細い棒で押し込んだり、軽く叩いたり、隙間にヘラを差し込んだりして外します。

f:id:shiratsume:20200521203029j:plain

f:id:shiratsume:20200521203040j:plain

前側の樹脂カバーは、ステー受けベースの下に取り付けボルトが隠れているので、先にリベットを破壊しなくてはなりません。つまり再度リベットで組み立ててしまうと外れなくなるのです。なんという設計・・・ほんの少しボルト位置をずらせば良いのに。

サビ取り

f:id:shiratsume:20200521203219j:plain

アルミも錆びないわけではありません。鉄に比べて進行も遅く目立たないだけです。鉄と接触してる部分は腐食が進んでいます。

f:id:shiratsume:20200521203255j:plain

#240~#320あたりの紙やすりでサビを削り落とします。深追いするとペラペラに薄くなってしまうので、指で触って凸部がなくなるくらいにします。

【ポイント】
ここでサイドステップをどう仕上げるか判断します。アルミ地(アルマイト処理)を残すのか、全塗装するか。これはかなり悩みました。私は基本純正のまま維持していくスタンスですが。純正至上主義ではありません。使いやすかったりカッコよくなるならば、多少の変更は厭わないのです。

私のサイドステップはよく見ると随分とキズが入り使い込んでます。これがカッコいいし、シルバーだから汚れも目立ちません。しかし今回はつや消し黒で塗装することにしました。もし気に入らない結果になってもまだ新品が手に入るし、中古部品も出回ってます。やってみたい塗装もあるので決意したのです。

サイドステップは塗装するので、全体にスポンジやすりを掛けます。#400でサビ取り、キズ消しした後、#600で仕上げます。これで表面のアルマイト処理はある程度剥がれてしまうので、もう後戻りはできません。


f:id:shiratsume:20200521203551j:plain

ステー受けベースは全てワイヤーブラシでサビ取りしたあと中性洗剤で洗います。サンドブラストができれば楽だし隅々までサビが取れるのでしょうけど、素人はそんなもの持ってませんから、ひたすら人力ワイヤーブラシです。隅はスポンジヤスリを併用しますが、完全にサビは除去できません。表面の凸部がなくなる程度で妥協するしかありません。

折れたボルト抜き

f:id:shiratsume:20200521203728j:plain

ナットと突き出たボルトの腐食が激しい。ナット上面はサビて虫食い状態だし、ボルトも太くなっている。なるほどこりゃ折れやすいよねえ。M6のボルトは新品でも締め過ぎたら簡単に折れてしまうサイズです。サビて動かない場合は無理してはならないのです。

f:id:shiratsume:20200521203754j:plain

とりあえず。お決まりの浸透潤滑剤をたっぷり吹き付けます。まあボルトが折れる前にも吹き付けたのですけどね。

f:id:shiratsume:20200521203416j:plain

f:id:shiratsume:20200521203847j:plain

ボルトが長く残っている場合は、バイスグリップで挟んで回してみます。かなり固く力任せに回すとまた折れてしまうので、緩めたり締めたりを繰り返して徐々に可動域を増やしていく感じで緩めます。

f:id:shiratsume:20200521203915j:plain

なんとか外すことができました。ふう。

大変なのは、根本で折れてバイスグリップが使えないボルトです。

f:id:shiratsume:20200521204018j:plain


折れたボルトの中心にポンチを打ちます。できるだけセンターを狙います。
次に3mm程度のドリルで下穴を開けます。その後、5mmのドリルで穴を拡大します。

 

f:id:shiratsume:20200521204149j:plain

タップでめねじをさらってやると・・・

f:id:shiratsume:20200521204248j:plain

ボルトの残骸が落ちてきます。ああ。疲れた。ボルトを折らずに抜けばこんな作業はしなくてもいいのです。

防錆塗装

f:id:shiratsume:20200521204326j:plain

サビ取り・ボルト抜きが終わったステー受けベースは、パーツクリーナーやシリコンオフを使って脱脂しておきます。

また肝心な写真を撮り忘れていますが、ステー受けベースにエポローバルを塗布します。

2回刷毛塗りしますが、塗膜がかなり厚いので刷毛目も目立ち仕上がりはあまり良くありません。普段見えないところなら気になりませんが、ボディなどには向いてないと思います。さらにあまり密着度も高くないので、角などは剥がれやすいのが欠点です。実績があり錆止めとしてはかなり優れているようなので使っています。数年後の状態が楽しみですね。

f:id:shiratsume:20200521204431j:plain

24時間以上乾燥させたら、上塗りとしてシャーシブラックをスプレーします。エポローバルは上塗りできる塗装ですが、あまりノリは良くありません。少しはじく感じなので、シャーシブラックを何度か重ね吹きします。

めねじ山やリベット穴は面倒くさいのでマスキングしてません。エポローバルが入り込むので、塗装が完全に乾燥したら全てのねじ山をタップでさらい、リベット穴をドリルでさらっておきます。

f:id:shiratsume:20200521204556j:plain

サイド・リアステップも、パーツクリーナーやシリコンオフを使って脱脂しておきます。アルミは表面を紙やすりで研磨しても塗装のノリが良くないので、ミッチャクロンを全面にスプレーします。

f:id:shiratsume:20200521204644j:plain

今回は最終的にチッピング塗料を使います。いや・・・この時点では迷ってました。普通のつや消し黒にするか、チッピング塗装を試してみるか。チッピングの質感がランクルにマッチするのか悩んでいたのです。
サイドステップは土足で踏みつけられます。キレイな靴なら良いけど、雨の日などは砂交じりドロドロの靴で踏まれますから、かなり過酷な状態です。適当な塗装だとすぐに剥がれてアルミの地が見えてしまうでしょう。アクリルのつや消し黒のほうが見た目はすっきりしてカッコいいけど、ここは剥がれにくさを期待してチッピング塗料にチャレンジすることにしました。

チッピングは塗膜が厚くムラのある塗装です。地を隠蔽するために下塗りとしてつや消し黒を全体に吹き付けます。

リベット組み立て

下塗りが完全に乾いたら、ステー受けベースをリベットで固定します。

f:id:shiratsume:20200521204755j:plain

ステー受けベースの向きに注意。斜めにカットしている側を、サイドステップ内側に向けます。

f:id:shiratsume:20200521204820j:plain

φ4.0mmのリベットを差し込みます。1本づつ固定するのではなく、まずは全てのリベットを差し込んで位置決めをします。

f:id:shiratsume:20200521204845j:plain

使ったリベットはコレです。リベットは規格品ですが、適正カシメ板厚があるので要確認です。

f:id:shiratsume:20200521204917j:plain

リベッターでバチンと固定します。
一番前のステー受けベースだけは、取り付けると樹脂部品を固定できなくなるのでそのままにしておきます。

アストロのお店で600円だったので購入しました。4.0mmのノーズピースが入ってなかったけどね・・・ははは。使い勝手は良くないけど4.8mmで代用しました。

f:id:shiratsume:20200521205038j:plain

f:id:shiratsume:20200521205102j:plain

リアステップの取り付けステーはφ4.8mmのリベットを使用します。太いと反動も大きいので、しっかりと押さえておかないと写真のように暴れて塗装が剥がれます。後でタッチアップしておきます。

f:id:shiratsume:20200521205134j:plain

f:id:shiratsume:20200521205213j:plain

リベットはこんな感じで潰れて固定されます。

チッピング塗装

今回は、サイドステップとリアバンパー周りの主要樹脂部品は全て新品を購入しました。サイドステップ前後につく樹脂は白濁化して何度か延命処置もしましたが、黒く戻ることはありません。比較的目に付く部品ですから思い切って新品に変えます。

余談ですが。
全部新品なんて贅沢なんて思われるかもしれませんが、サイドステップ樹脂部品は1個1700円です。泥除けのように白濁部を削り取ってコーティングするなり、再塗装すればそれなりにキレイになると思います。しかし時間も掛かります。時間は有限ですから時間をお金で買ったほうが良い場合もあります。樹脂パーツの劣化は完全に戻すのは不可能なので、新品が出るうちに交換する判断をしました。これで少なくとも20年以上は使えるということです。

チッピング塗装は塗膜が厚いので、サイドステップを全て塗装すると前後の樹脂パーツが組めなくなります。よって樹脂部品が被さる部分だけマスキングします。

f:id:shiratsume:20200521205306j:plain

仮に樹脂部品を差し込みます。その樹脂部品との境界をセロハンテープを貼ってマーキングします。

f:id:shiratsume:20200521205327j:plain

また写真を撮り忘れましたが、このセロハンテープに沿ってマスキングテープを貼り付けていきます。凸凹しているのでなるべく密着させます。まあ凸部の平坦な部分さえ塗料が付かなければ、樹脂部品は組めます。

 

f:id:shiratsume:20200521205420j:plain

サイドステップ・リアステップの裏表をチッピング塗装します。塗装は塗りにくい部分から塗るのが基本です。裏面 → 側面 → 表面 の順番です。下塗りも塗っているし、裏面は見えないので少し節約しています。とは言え、跳ね石などをモロにくらうのは裏面なので平面部にはきっちりと吹いておきます。

f:id:shiratsume:20200521205551j:plain

チッピング塗装は今回初めてだったのですが、霧が粗いので表面に凹凸が付くようです。近づけて垂れるギリギリのウエット吹きをすれば、ゆず肌になりますし、離してドライ吹きすれば梨地になります。梨地の粗さを揃えるのが難しいですね。まともに調整できるのは缶の中が半分になるあたりまでです。それ以降はブチブチと粗い塗料しか出ません。

2缶購入したので、状態にあまりこだわらず1缶目を全体に吹いたあと、霧の状態が細かい新品の缶で、仕上げ吹きをしました。よーく缶を振ってから使用しましたが霧の粒は運頼みなところもあるので、あまり細かいことまで気にする塗装ではないのでしょう。おおむね粒の大きさが揃っていればキレイに見えます。実際はそんなに近づいて見ることはありませんからね。

f:id:shiratsume:20200521205522j:plain

マスキングを剥がしたところです。アクリルのつや消し黒とは全く質感が異なることが分かると思います。

サイドステップ組み立て

チッピング塗装が完全に乾いたら、樹脂部品を組み立てます。

f:id:shiratsume:20200521205633j:plain

前部の樹脂部品を差し込んで、ボルトで固定します。このボルトはメッキがしてありますが、隠れてしまうので頭をタッチアップ塗装しておきます。

f:id:shiratsume:20200521205657j:plain

一番前のステー受けベースをリベットで固定します。できればこの部分にもチッピング塗装したかったのですが、時間の都合上省略しました。

写真を撮り忘れてますが、後部の樹脂パーツもボルトで固定してサイドステップの完成です。



長くなってきたので今日はここまで。
次回はリアバンパーのレストア。
乞うご期待。