今日もランクル日和

40代からはじめる素敵なランクル生活

個人差ありますが・・・


私が所属する会社では、常にFMラジオが流れている。大企業ではあまりないと思うが、技術系の中小企業の事務所ではよくあることだ。仕事をしてるので真剣には聞いてないけど、耳に入ってくるからラジオの内容は分かる。

数年前から、やたら耳につく言葉がある。それは「個人差ありますが・・・」という言葉。どんな商品でも一通りアピールしたあとに、個人差ありますが凄いですねえ。
なんて言っている。なんとも違和感のある日本語だ。


結論を先に書くと。
消費者庁が所轄する法律、「不当景品類及び不当表示防止法」略して「景品表示法」がある。これは事業者が広告・宣伝するときに、不当な表示規制するための法である。

不当景品類及び不当表示防止法 - Wikipedia

景品表示法 | 消費者庁

細かい内容は上記のウィキペディアや消費者庁のwebページを参照。

「個人差ありますが・・・」は打消し表示に該当する。商品をアピールする強調表示に例外がある場合は、打ち消し表示をしなければ景品表示法の不当表示になることがあるのだ。

テレビ画面やWebサイトにも端っこのほうに小さく「個人の感想であり、効果には個人差があります」などと書いているのを見たことがあるだろう。いや気づかない人が
多いのかもしれない。

あまりに打消し表示が目立たないので、消費者庁は打消し表示の取締りを強化するためガイドラインを作成している。細かい内容までは確認してないけど、ラジオでも少し強調して「個人差ありますが・・・」と、打消し表示を使うようになったのだろう。

そもそも打消し表示を行わなくても済むような、強調表示にすれば良いのである。つまり期待通りの効果がないことがあるのだ。打消し表示こそ本当のことなのである。

しかしよくラジオショッピングで買い物できるなあと思う。視覚で確認できるテレビやネットショッピングなら理解できるけど、ラジオは聴覚のみの情報である。わざとらしく商品を感嘆してるけど、どんなモノかさっぱりわからない。ネットで検索すれば分かるけどさ。だったら最初からネットで買えばいいよね・・・いかんいかん脱線した。商品の話がしたいのではない。

免罪符のように使われてきた打消し表示。さらには消費者のクレーム対策として予防線を張っているのだろう。


そう考えると他人事ではない。私も予防線を張りがちな人である。日々のアクセスも少ない弱小ブログだから炎上することはないけど、一応クレームが入りにくいような文章を考えている。批判する時も何重ものオブラートをかぶせている。

自分が体験したことや、多くの人が認めている文献などの根拠があるとき、以外は断定しない。~かもしれない。~と思う。~らしい。と語尾をぼやかしてしまう。

自分が予防線張りまくりだから、他人の予防線もよく分かる。単純に予防線の多い文章は長くて読みにくい。結局何が言いたかったのかもよく分からない。

ブログなんて、誹謗中傷や他人の権利を侵害しなければ、何を書いても良いのだ。自分はこう考えている。こう感じた。こうしたい。とハッキリ書けば良いのだ。

優れた文章には予防線なんて無駄なものは無い。ギリギリまで削って研ぎ出してあるから素晴らしいのだ。そんな文章が目標だけど、今日も薄汚れてぼやっとした文章を垂れ流している。

個人差ありますが、このブログは面白い。