前回の続き
本体の製作
部品図の作成
前回、収まりを確認した図面から部品図を書きます。
上板×1枚
下板×1枚
側板×2枚
シナ合板の罫書き
この部品図をシナ合板 厚さ5.5mm に罫書きます。(図面転写)
無垢板でも良いですが、薄いと反りの管理が難しいので合板をオススメします。
どうせ外側にはビニールレザーを貼るので、もっと安い合板でも構いません。ただし今回はドリンクホルダーとの嵌合精度を出したいので、できるだけ平らな板を選んでください。
鉛筆で部品図を写します。ここで大事なのは直角をきっちり出すこと。機械でカットしてる辺を使えば切って仕上げる箇所が減ります。しかし直角の確認はします。直角が狂っていると良いモノはできません。通常スコヤ・矩尺を使いますが、無ければ三角定規・分度器を使ってください。
部材線、穴あけセンター線、欠き取り加工線を書き込みます。これも三角定規などを使ってキッチリと直角を出します。
細かいことを書くと、今回は合板をビスを使って組み立てるので、ビスが良く効く木目の方向を考えるべきなのですが、歩留まりが悪い(無駄がでる)ので、無視しています。
シナ合板の寸法決め
部材線に沿って、鋸(ノコ)を使って切断します。あまりギリギリを攻めると失敗するので、すこし余分を残して切断します。すこし多めですが私は手鋸が下手で傾きやすいのです。ははは。
鋸の切断面を鉋(カンナ)で真っ直ぐに削ります。鉋が無ければ、当て木にサンドペーパーを巻いたモノでも削れますが時間が掛かります。
作業台を使って、鉋が部材に対して直角に当たることが大事です。これが狂っていると組み立てるときにピッタリ合いません。
チョット道具自慢。今は手に入らない金四郎の小鉋。業界の人しか分かりませんね。
削ったら、ノギスで計測します。
今回は側板勝ち収まり(木口が上下に見える)なので、少しだけ側板の幅を大きくして、組み立てたあとに再度目地払いします。まあ本体の上にはトレイ・下にコンソールボックスがあり、上下面は見えなくなるので、適当でも良いのですけどね。
罫書き線が残る程度、0.2mmくらい大きくしています。
(上下板はピッタリのサイズで仕上げます。)
寸法決め完了。
シナ合板の穴あけ
上板にトレイ固定用のナット穴を加工します。
M5 フランジナット フランジを引っ掛けて固定するので、12mmのザグリ穴を開けます。本来ならナット外径9mmとフランジ径12mmのドリルを使えばキレイにできますが、ボール盤の精度が悪いのと、該当のドリルが無かったので、タケノコドリルを使います。
現物合わせで深さを決めます。少しづつ深くしながら、ナットを入れて大体同じ高さにします。裏面で何も干渉しない部分なので厳密でなくて良いです。
下板にナイロンベルトを通す穴を加工します。
胴付鋸(目の細かい鋸、無ければ普通の鋸でOK)で入れ目を入れます。
後は鑿(ノミ)で落とせば良いのですが、夜中のアパートでガンガン鑿を叩くわけには行かないので、ボール盤で穴開けていらない部分を飛ばします。少しだけ内側を狙って罫書き線を残すようにします。
鑿でキレイにさらって出来上がり。鑿が無ければ、ヤスリやカッターナイフでも出来ます。
さらに一工夫。別にやらなくても良いけど、ベルトが当たる角を丸く削って、ベルトにかかる力を分散します。
側板に組み立てビス穴を加工します。
今回はこのビスを使います。5.5mmの板の木口にねじ込むので、ネジ頭が大きいとハミ出てしまいます。このビスは頭径3.8mm・ネジ径2.2mmなのでギリギリ使えるのです。
罫書いた穴の中心に、2.5mmの穴を貫通させます。さらにネジ頭用に3.8mmのザグリ穴を開けます。深さは現物合わせです。このザグリ穴は後で埋めるので、面一ではなく少し埋め込みます。
穴開けは罫書き線通りにいきません。実際に組み立てる位置・方向で合わせます。その位置で鉛筆を穴に差し込み、下穴の位置を罫書きます。
上板・下板の木口に1.5mm下穴を開けます。
上板にドリンクホルダー抜け防止穴を加工します。
適当なアングル材をカットします。適当すぎて雑な切り方ですね・・・ははは。
片側に両面テープを貼り、片側の中心に穴を開けます。
上板に中心線を引き、実際に収まる位置にドリンクホルダーを置きます。そのドリンクホルダー端部に、上記のアングル材を貼り付けます。ドリンクホルダーには上下があるので注意。その時中心線とアングル穴の位置を合わせます。
そのアングル穴の位置を罫書いて上板に写します。
貫通穴を開けて、ザグリ穴は上板の上面に加工します。タッピングビス頭が少し沈む程度。
使うタッピングビスは、適当なモノで構いません。私も部屋に転がっているモノを使いました。上板の貫通穴はタッピング径と同じか少し大きいサイズ、アングル穴はタッピング径よりも少し小さくします。そうすればドリンクホルダーの抜け防止&上下微調整ができます。最終的にビニールレザーを貼るとその厚さだけ、内側に引っ張る力が発生します。ここはややこしいので組み立て時にまた解説します。
穴開け完了。
長くなってきたので、今日はここまで。
次回は、本体の組み立てなど
お楽しみに。