前回の続き
本体下地(シナ合板枠組)の製作
トレイ取り付け用フランジナット埋め込み
フランジナットのフランジ上部と側面に、瞬間接着剤を塗ります。エポキシ系接着剤などでも良いけど、十分強度も出るし時間短縮のためです。
瞬間接着剤を塗ったら速やかに、穴に差し込みます。まごまごしていたら固まってしまうので、すぐに押さえつけてナットが垂直に奥に接するように固定します。
タケノコドリルで穴を開けたので、ナット部分には隙間があります。
フランジ部分だけの接着では心もとないので、ナットとシナ合板の隙間に接着材を充填します。
マスキングテープを穴の周囲に貼り付けます。
使うボンドはコレです。
汎用性高く、比較的強力につくので便利ですよ。
空気が抜けるようにヘラを使いながら接着剤を流し込みます。
あふれた接着剤をヘラで均します。
乾いたらマスキングテープを剥がして、盛り上がった部分はカッターナイフなどで削ります。これがナットの回り止めになります。
本体下地(シナ合板枠組)の組み立て
組み立ては、接着剤とビスを併用します。
使う接着剤とビスはこれ。
普通の木工用ボンド(白ボンド)でも良いのですが、タイトボンドは、硬化が早く・接着力が高く、硬化するとボンドはカチカチになる(加工しやすい)などの特徴があり便利なのです。
余談ですが、赤色のタイトボンドは耐水性はなく、硬化した後も水に触れていると溶けてきます。よって水にさらされる家具(テーブル)などは、耐水性のある2液性ボンド(ピーアイボンド・CUボンドなど)を使います。今回は最終的にビニールレザーで覆いますから耐水性は必要ないので、タイトボンドを使ったわけです。コストと手間を考えた適材適所ということです。
タイトボンドの口は、薄く出るようになっているのですが、直接塗ると大概塗りすぎて拭き取りが面倒くさいので、容器に小出しにして筆で塗ったほうが均一に無駄なく塗れます。
接着剤を塗る前に、再度シナ合板部材の表裏・上下前後方向を確認します。
木は接着剤を吸い込みますから、このくらいの量で少し盛るくらいで塗ります。
腕は2本しかないし、接着剤固定作業は時間との戦いになるので、写真は撮れてません。角を合わせて、長手方向はピッタリの位置、短手方向は側板が極僅かはみ出るくらいの位置でビスを締め込んでいきます。
位置決めは目視と指先の感触で合わせます。人間の触覚は素晴らしく訓練すると0.1mmの段差でもすぐに分かります。ツライチ・チリを付ける調整は指先感覚が大事。
ビスを締め込むと、タイトボンドがはみ出してきます。乾く前に水に濡らしたウエスで拭き取ってキレイにしておきます(裏も忘れないように)
ツライチではなく側板が僅かに出ているのがわかるでしょうか。
ビス頭はこのくらい奥にめり込ませます。
タイトボンドは一気に塗らずに1辺ずつ塗り、ビス固定・はみ出たボンド拭き取ったら、次の辺に移ります。(3・4辺目は同時に行うしかありません)4辺終わったら乾かします。ビス併用してるので30分~1時間で加工できますが、メーカー推奨は24時間固定です。
本体下地(シナ合板枠組)の調整・仕上げ
タイトボンドが乾いたら、側板の目地払いをします。鉋(カンナ)でツライチになるまで削ります。サンドペーパー研磨でも目地払いできますが、必ず当て木をして斜めにならないように真っ直ぐ削ります。こちらのほうが難易度は高いです。
長さ方向にも段差があれば、大きな方を削ってツライチにします。
角は面取りします。面取り幅は1.5~2mmとしました。ビニールレザーを貼りますが、ピン角(面取り無し)だと角が貼りにくく、破ける可能性もあります。
面取り鉋を使う必要はありません。久しぶりに使いたかっただけです。普通の鉋や当て木付きサンドペーパーでもOKです。ただし面取り角度や幅を意識して揃える必要はあります。
こんな感じで全ての角(内側のぞく)を面取りします。
ビス穴はプラリペアで埋めます。
パテ埋めでも良いのですが、これも時間短縮のためです。プラリペアは5分程で硬化して比較的どんな場所でも付くので便利です。だたし基本プラ用なので見た目は良くないです。今回はビニールレザーを貼るので、平滑ならば見た目は悪くても良い。
余談ですが、瞬間接着剤+木の粉+瞬間接着剤用硬化促進剤でもすばやい穴埋めができます。瞬間接着剤を流し込んで、サンドペーパーで削ってつくった木の粉をまぶして、瞬間接着剤用硬化促進剤(アルテコ スプレープライマー)をスプレーすると一瞬で硬化します。木の濡れ色に仕上がりますから見た目も悪くありません。
プラリペアで穴埋めしたところ。硬化したら鑿(ノミ)やカッターナイフで削ります。ビスのめり込みが浅いと全体が剥がれやすいので、大まかに削ったら、当て木付きのサンドペーパーで削ったほうが上手くいきます。
木の導管にそってプラリペア溶剤が染み込むので見た目が悪いです。サンドペーパーで削ったら、指先で触りツライチになっているか確認します。
プラリペアを全て削り終わったら、本体全体に #400くらいのサンドペーパーを掛けて仕上げます。しつこいですが、最終的にビニールレザーを全体に貼るので罫書き線は消さなくて良いです。平滑でツライチであることが重要です。まあ多少のアラはビニールレザーに隠れてしまいますから大丈夫です。
本体下地(シナ合板枠組)完成!
トレイの製作
トレイの塗装
本来なら、穴あけ加工をしてから塗装したほうが良い。私はアパート暮らしなので、有機溶剤の入った塗料をスプレーするのは気が引けるのです。実家に帰ったときに、先行して塗装しました。
まずは、トレーを中性洗剤で洗浄、パーツクリーナーで脱脂する。
全体にミッチャクロンをスプレーする。
これ塗料の密着力がアップする魔法の塗料。金属地以外にも樹脂などでも使えます。私が高校生の頃からある製品で、実績があり信用できる塗料。柔らかいPPなどに塗装してもすぐに剥がれるけど、ミッチャクロンを下地に塗ると剥がれにくくなります。
肝心の塗装写真を忘れてしまいました。
ランクルの内装色(グレー)の近似色を選択。
模型用で量が少なく、今回塗ったトレーを裏表2回塗りがギリギリの量でした。
本体に接するトレイ裏は塗ってなくても良いので、塗る順番をよく考える。
トレイの穴あけ
図面の寸法をトレイ裏面に鉛筆で罫書く。中心線交点をセンターポンチで打ち込む。
4.5~5mmくらいの穴を開ける。
トレイ完成!
長くなってきたので、今日はここまで。
次回は、本体のビニールレザー貼りなど
お楽しみに。