我が家のランタン
20歳の頃に購入した、コールマン ランタン 268A は実家の物置に保管されたままでした。オートバイツーリングで使っていたのですが、なにぶん大きすぎて何度か使用したあとに、コンパクトな226を購入したのです。ソロキャンプに慣れてくるとその226も必要なくなります。ガソリンランタンの眩しい光なんて必要ないと思うようになるのです。頭につけるヘッドライトと、小さなマグライトなどで充分なんですよ。どうせ夜ふかしもせずにすぐに寝ちゃうしさ。
テントを頂いたこともあり、数年前からファミリーキャンプを始めました。私は夜暗くても良いけど、野宿経験のない家族はそうはいきません。子供は暗くなると怖がります。しかしコールマン ランタン 268A の燃料はガソリンなので小さな子どもが触ることはできませんから、LEDランタンを買いました。
LEDランタンは火を使わないので安全なのです。暗い夜道で子供が持ち歩くこともできますし、テントの中で使うこともできます。LEDの光は虫が寄りにくいのも利点です。
LEDランタンはそれなりに明るく安全で良いモノだと思います。しかし光が平坦でベタっとしています。一応電球色にもできますが、やはり疑似電球なんですよね。アナログなゆらぎやムラがないのです。まあ最近のLEDは良く出来てるので、比較しなければ気になりませんけどね。
ガソリンランタンのケロシン化
ケロシン化の利点
インスタグラムで、コールマンランタンをケロシン化(灯油を燃料として使えるようにする)している方がおられて、部品交換だけで簡単にできることを知りました。
『コールマン ケロシン化』でグーグル検索するとたくさん記事がヒットします。一通り流し読みしながら、要所だけを詳しく調べて勉強しました。
ガソリンランタンは扱いが大変なこともありますが、燃料(ホワイトガソリン)そのものが高価なんです。4L缶でネット購入しても約750円/Lくらいです。一方灯油は、地域差ありますが、約80/Lくらいですから、燃料コストは1/10になります。
自宅でファンヒーターを使いますから、灯油は必ず購入します。ホワイトガソリンのようにわざわざ購入しなくてもよいのも良いところ。ただしプレヒート用の燃料用アルコールが別途必要になります。これは微量しか使いませんし、単価もそれほど高くないです(300円/500mL)
もっともらしい理由をあげてますが、改造費が結構かかりますから、それをペイするのは、20回以上使わないと元はとれません。男子は改造がしたいだけなんですよね(笑)バラバラに分解するのが楽しいのです。
------ 注意 ------
以下の作業は、自己責任で行ってください。メーカーの保証は無くなりますし、怪我をする恐れのある作業です。よく考えて慎重に行って下さい。
ケロシン化の準備
ケロシン化に必要なモノは以下の3点
・214用ジェネレーター
・214用フューエルチューブ
・201用プレヒートカップ
ジェネレーターは必須です。マニアは自分で番線を巻いてつくる人もいますが、原理を理解して自作を愉しむ余裕が必要です。
フューエルチューブは燃料穴径を拡大するだけでOKですが、穴径が結構シビアみたいでネットの情報も色々です。何度も実験すればベストな穴径も分かるでしょう。
プレヒートカップも自作や流用される人もいます。
純正部品がなければ、自作や加工もするけど、まだ純正部品は買えますから素直に全て購入します。ここは時間を買うと考えます。
私はここのお店で買いました。
ジェネレーターとプレヒートカップのセット 3300円
フューエルチューブ 1480円
送料 250円
合計 5030円
結構高いですね。探せばもっと安く販売しているお店もあるかもしれません。
後述しますが、バルブアッシーを外す必要があり、このネジにはガソリン漏れ防止にガスケットが塗られてますから、別途ガスケットを購入する必要があります。ここはあまり熱くはなりませんが、耐ガソリン(灯油)である必要があるので、この液体ガスケットを購入しました。
微量しか使いませんから、こんなに量はいらないのですが、あまり小さなサイズは売ってません。
いざケロシン化
3点セットが届きました。
214用ジェネレーター
214用フューエルチューブ
201用プレヒートカップ
それでは早速本体を分解します。コールマンのランタンはシンプルなつくりなので、簡単に分解できます。ただしジェネレーターを外すときに、スパナかモンキーレンチが必要。
一番大変なのはフューエルチューブを外すためにバルブアッシーを外すこと。初めて外すネジは非常に硬いので、モンキーレンチだと外れない場合があります。私はシャコ万でバルブを挟んでタンクを回して外しました。
詳しいバラし方は、
他にもYouTubeで『コールマン 分解』で検索するとたくさんヒットします。
私の下手な写真と説明よりも動画を見たほうが分かりやすいでしょう。
フューエルチューブの違い
左側:214ケロシン 右側:286ガソリン
分かりやすいように色が違いますが、先端の穴の径が違うだけらしいです。ガソリン用はすごく穴が小さいです。ここの穴を大きくしないと息継ぎするようです。
フューエルチューブのネジ部にはパッキンが入っています。そのパッキンはバルブアッシーの中に入り潰れます。フューエルチューブのネジが見えなくなるまで締め込んだらOKです。
バルブアッシーの取り付けネジ部は、パーツクリーナーで洗浄して古いネジ止め剤や汚れを除去します。タンク側は中にゴミが入らないように慎重に作業します。
バルブアッシーのネジ部に薄く液体ガスケットを塗ります。バルブアッシーをモンキーレンチで締め込みます。バルブが外側になるように合わせます。
左側:286ガソリン 右側:214ケロシン
ジェネレーターの違いです。
巻数や太さが全く違います。ニードル先端を曲げないように、端部のL型フックをバルブ側の穴に入れるのを忘れないように、201用プレヒートカップを忘れないようにセットして、ナットで締め付け固定します。ナットは286Aに付いていたものを使います。
組み立ても省略します。上記の動画を参照して下さい。
201用プレヒートカップがカタカタ動くのですが、とりあえず放置です。運搬時に音が気になるようならクリップで止めようと思います。
ハイ完成!
バラしてみると分かるのですが、すごくシンプルで合理的なつくりです。ほとんど工具も必要ありません。その代わり部品の見た目はチープなので、全体に華やかさはありません。ケロシンランタンで有名なペトロマックスとは雲泥の差であります。まあ価格も2倍くらいしますけどね。ははは。
でもこのアメリカンな合理的設計が結構好きだったりします。コールマンランタンの中でも286Aは一番スタンダードなモデルです。まさにリーバイス501ですね。まあ286Aの魅力は、語り尽くされていますから、いまさら私が書くこともありませんが、100年間ランタンをつくり続けて適正化された、完成度の高い道具です。色気はないけどカッコいい道具。
実はあまりランタンの歴史や、多くのモデルを調べないようにしています。なぜなら時計と同じでヤバい世界だからです。ランタンなんて実際のキャンプでは2個もあれば充分なんです。しかしヴィンテージやら、限定モデルやら、レアなモデルやら、美しいモデルやら、扱うのが難しいモデルやら・・・次から次に欲しいモデルに出会うのは分かりきってるのです。時計よりも大きいモノなので、すぐに部屋が占領されちゃうのです。
だから一番ベタな、コールマン286Aを脇目も振らずに使い込もうと思ったのです。多分これ以上のカスタムはしません。余計なことを知らないほうが良いのです(笑)
お楽しみの試運転
液体ガスケットが硬化するまで、1日以上放置したあとに火入れします。ケロシンランタンは初めてだったので、やはり洗礼を受けました。プレヒート不足で火だるまに・・・アパートのベランダなので焦りました。あっ秘密ですよ(笑)
このときの気温は7℃でしたが、プレヒートはかなり長めにしなくてはなりません。カップいっぱいに燃料用アルコールを入れて全て燃えるくらいで、なんとか着火するくらいです。下手すると2杯目も必要だったりします。まだ下手なだけなんでしょうけど。
プレヒート不足だと液状の灯油がダラダラと流れてきます。それに火が付いて火だるまになります。灯油がガス化してマントルが光りだしても、すぐにバルブを全開にせずに徐々に開けていきます。そうすると上手く点火できました。
なるほどなあ。ガソリンよりも手間が増えて面倒くさいのか。そのうち慣れてしまうのでしょうけど。このポンピング・プレヒートの手間が愉しめる余裕がないとキャンプで使えないわけです。
早くキャンプで使いたいなあ。
【 おまけ 】
灯油はコレにペットボトルをつけて給油したのです。
しばらく使ってなかったので、ノズルを押し込まないと流れないようになっていることを忘れていたのです。「あれえ?詰まってるのかな?」なんて色々触ってると、子供がそれを見ながら、お絵かき帳になんか書いてます。
うはっ。
原因を箇条書きにしてるよ。私はこんなこと教えてないから自分で考えて書いてるのが凄いわ(親バカ)完全に理系の思考だよね(笑)幼稚園でこんなことは習わないから、どこで覚えるのかなあ?最終的に私がノズル押すことに気づいて説明したら、「ぐっとおしてなかたから」と書いて花丸ついてる(笑)本当に面白いなあ。