序章
購入したときから気になっていました。
でも機能的には問題ないのです。
見て見ぬふりをしておけば良いのです。
事なかれ主義、庶民の処世術です。
何をおっしゃっているのか分からない。
そうですか。
角度を変えてみましょう。
ねっ。
日の出でも日食でもありませんよ。
盛大に光が洩れております。
私は生まれてこの方、こんな(透過式)計器を見たことはありません。
ああ。どうしましょう。
そうです。この角度で見なければ良いのです。
運転するときはこんな角度から見ることはないのです。
さあ。意識から遠ざけるのです。
メーターは正常です。針が示す数字は正しいのです。
まあ。いいか。
気にしなければ良いだけだね。
そういうことです。
購入して1年数か月、見て見ぬふりをしていました。。
喉の奥に微妙に引っかかる感じ。
たまにムズムズと気になってしまう。
ええい。
コロナ自粛を利用して直してしまおう。
気持ち悪いんじゃ。
現状を把握
さて、前置きが長くなりました。
とりあえずスピードメーターの状態を観察します。
スピードメーターの文字盤が曲がって隙間ができています。よく見るとタコメーターも少し曲がっているようです。
タッピングビスを外して、メーターカバーと文字盤枠を外します。メーターカバーは傷つきやすく内側にホコリが付くと面倒なので、邪魔にならないところに保管しておきます。
分かりにくいですが、スピードメーター端部が垂れてしまっています。
この丸目最終型ランクルのメーターは全て透過式になり夜間でも見やすくなったのですが、従来の金属文字盤ではなく、樹脂の文字盤になっています。しかも柔らかい塩ビ?ポリプロピレン?のような素材なのです。
スピードメーター文字盤の左上・右上・右下・下には受けがありますが、左下には受けがありません。なぜこんな設計なのか理由は分かりません。素材が柔らかいのだから、照明の熱などで文字盤が曲がっても不思議ではありません。
ちなみにこの症状は、ランクル76(丸目最終型)のスピードメーターの持病なようです。ネット検索するとスピードメーターの修理記事もヒットします。統計をとったわけではありませんし断言はできませんが、おそらく設計ミスだと思います。今更リコールもありませんから自分でなんとかするしかありません。
スピードメーターASSYの価格は28,000円(税別)でございます。ははは。
当然こんなことで買えませんから自分で修理することにします。
スピードメーター修理
スピードメーター分解
【警告】
今回行う作業はメーカー推奨されないどころか、素人が計器を触ってはいけないのです。計器の針はメーカーがテスターなどを使ってキッチリと校正され出荷されます。針を外すと元の位置には戻りません。後述しますが、おおよそ合わせることはできます。計器は精密機械ですから乱暴に扱うと壊れる可能性もあります。この記事を読んで真似されるのは構いませんが、あくまで自己責任で行うようにして下さい。
文字盤を切れ目を入れたビニールシートで養生します。同じくビニールで先を養生した精密マイナスドライバーを上下から差し込むと針が外れます。ドライバーは一気に差し込まずに交互に少しずつ入れるようにします。このとき針には触らないようにします。
【注意】私はここでミスをしています。
後から分かったことですが、0位置に針止め(プラスチックピン)のあるメーターは、本当の0位置(通電していないとき)は0以下なのです。バネの力で0以下に戻る力が常に働いていて、針止めで0位置に固定されてるだけなのです。
セオリー通りの手順なら、まず針止め(プラスチックピン)を外して、自然に止まった位置をマーキングしておきます。文字盤の修理や交換が終わり、針を付けるときは、マーキングの位置に合わせ差し込みます。針を手で動かして0以上の位置にして、針止めを元に戻して完成。これで針位置が大きくズレることはありません。
針止めはゴムのような柔らかい素材でつくられている場合もあります。その時は外さなくても根本から曲げれば針をかわすことができます。
結局私はそれを知らずに作業をしたので、針止めは外していません。針止めの裏に割が入っていているので、裏側から摘まめば確実に外れると思います。一応表から引っ張ってみたけど破損しそうで怖くて辞めました。なにしろスピードメーターはASSYでしか手に入りませんし、28000円のプレッシャーに負けました。
メーター中心には針が刺さるように細いピンがあります。このピンが抜けてしまうと大変らしいので、針だけを抜くようにし慎重に作業してください。
文字盤は中央の小さいビス2本、角のビス1本を外せば、取り外すことができます。
文字盤すげえ反ってます。だめだこりゃ。
裏はこんな感じです。金属板と違って風情がありません。なんともチャチな部品であります。
スピードメーター文字盤修正
文字盤はペラペラで柔らかい素材なので、強制して反対に反らせます。そこにドライヤーで熱風を当てます。
なかなか癖が直らずに時間がかかりましたが、どうにか妥協できるレベルに修正しました。
タコメーターも針を外して、スピードメーターと同じように文字盤を矯正します。
メーター文字盤は基本的に指で触ってはなりません。昔の金属板のタイプは光を反射しない特殊な塗料が塗られています。指の油がつくとその部分だけ光って汚くなります。
この文字盤も同じかと思ったのですが、どうも質感が異なります。布のような感じで表面をコーティングしてます。目立たないところに水を落としてみましたが特に問題はなさそう。思い切って水洗いしてみました。薄めた中性洗剤でをつけて指の腹をつかって優しく洗いました。印刷部分にはあまり触らないようにしましたが、水や洗剤がついても大丈夫なようです。洗ったらよくすすいで、水気を飛ばしてドライヤーで乾燥させました。もちろん推奨するわけではありません。もしこの文字盤を指で触ってしまって油がついた場合でもなんとかなるという話です。
メーター組み立て
デジタルオドメーターの枠で、スピードメーター下端が支えられています。しかしオドメーター左側は一段下がっていて、ここで文字盤は支えられていません。一工夫してここにクッションテープを貼り付けて、オドメーターと面一にしておきます。
文字盤をビスで固定したあとに、針を差し込みます。このときは針位置のことは意識していません・・・
針は奥まで差し込んでしまうと、文字盤に接触してスムーズに動きません。厚めのビニール2枚くらいを針の軸下に挟んで押し込むと丁度いいクリアランスを確保できます。針を動かしてスムーズに動くか確認します。
文字盤の曲がりも直っているのが分かるでしょう。
まだ少し隙間がありますが、許容範囲でしよう。時間を無限に掛けるわけにはいきませんから妥協も必要です。
さあ車両に取り付けよう
次の日、車両にメーターを取り付けようと手に取ると・・・ん??
なんか隙間が広がってるよね・・・はははは。マジか。
長年かけてついた癖は直らないということか。
このまま妥協して取り付けてもしばらく経つと元通りの隙間になっちゃうよなあ。
ということで、根本的にやり直すことにします。
長くなってきたので今日はここまで。
次回はスピードメーターの改良。
乞うご期待。