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前回の続き
【警告】
以下の記事を読んでハザード増設するのは構いませんが、怪我や事故には充分気をつけて作業してください。またこの記事を読んで製作されたモノについて私は一切の責任を負いません。自己責任での作業をお願いいたします。
ハザードスイッチの製作
使用するハザードスイッチ
使用するのは、スズキの純正ハザードスイッチです。
品番:37430-66H00
元々は2000円くらいだったのですが、純正部品は古くなるとドンドン価格が上がります。この4月にも値上げがあり現在では3740円(税込み)になりました。うーん。
中古で良ければ、ヤフオクで「HE21S ハザード」で検索すればたくさんヒットしますよ。他にも MF21S MG21S も同じハザード使ってますからキーワードを変えてみると良いです。安いモノなら送料込みで1000円以下で買えます。
なぜこのスイッチを選んだのか
1.丸形であること
これは単純に好みなだけ。加工穴が開けやすいメリットもあります。
2. 配線がシンプルである
1系統のON・OFF、照明の配線の計4本だけのシンプルな構造。
3. 新品でも安い(昔は安価でした・・・)
自動車のスイッチはよく考えられていて耐久性もあります。ハザードは常時電源なので押しっぱなしで放置するとバッテリーが消耗します。少し当たった程度では誤作動しない程度のスイッチの固さが重要だと思います。スイッチの動きも大きいので押したことがハッキリと分かります。
ハザードスイッチ・ブランクパネルの寸法測定
私は設計するときには、部品の寸法測定をします。イメージ段階なら不要ですが、実施設計する場合は必要な作業です。
面倒くさいと思われるかもしれませんが、上図面が書けるくらいに定規やノギスを使って細かい部分も測ります。ただし収まりに関係ない部分は適当に手を抜きます。
それから現物を見ながら接続する方法を考えます。細かい話は端折りますが、最終的な収まりは上図になります。
収まり図を分解して、各部品の加工図を書きます。スイッチ本体には加工しないように設計しています。もしスイッチが壊れても交換が容易だからです。
ブランクパネルの加工
加工図の通りにブランクパネルを加工します。安易にφ25ホルソーでセンター穴あけ、6ミリドリルでザグリをしたら見事に失敗しました。パネルはABS製なのですが、熱に弱くてホルソーの穴あけ熱に耐えられませんでした。穴あけ中に焦げ臭くなりドロっと溶けました・・・わはは。
それに6ミリドリルでは精度が出なくてブレブレでザグリ穴もガタガタです。
まあこんな失敗は日常茶飯事なのです。
すぐに違う加工方法を考えて、新しいブランクパネル・工具を注文します。
ザグリ穴は上記の面取りカッターで加工しました。高価な刃物ですけど、ドリルとは切れ味が全く違います。センターの精度も高くブレないので狙ったところに穴あけできるのです。
周囲の木片は位置決め用です。角に当てると穴位置が決まります。反対の木に当てて穴を開け、ひっくり返して同じことを繰り返すと4つの穴位置がバッチリ決まります。
ザグリ穴の後に、φ3.2ネジ穴を貫通させます。
スイッチのセンター穴はトリマーで加工しますが、全てをトリマーで加工すると抵抗が大きすぎて溶ける恐れがあるので、写真のように大まかにドリルで穴あけしておきます。
細かい説明は端折りますが、トリマーにストレートビットとガイドをつけて丸く穴あけします。治具はシナ合板とプラバンで製作しています。シナ合板に開けた穴に添わせてトリマーを動かします。
ブランクパネルは木片で固定しています。
これで溶けることなくキレイに穴あけできました。
緑色の部分が少しだけハザードスイッチに干渉するのでカッターナイフで現物を合わせながら少しづつ削ります。
他の部品も、ABS板とアルミ板を切り出し穴あけしてつくります。
ハザードスイッチの組み立て
皿ネジを通してプラスチックのスペーサーを入れます。
ブランクパネルとハザードスイッチが接触する部分にはガタツキ防止にスポンジゴムを貼り付けます。
今はわざわざスペーサーをつくらなくても探せば既製品が買えます。
ハザードスイッチを合わせて、ABS板でつくった押さえ板を入れます。
フランジナットで締め付けて固定します。
反対側(照明が無い側)にはアルミ板でつくった位置決め板も共締めします。
このアルミ板の内側には両面テープを貼り、スイッチに固定して上下に動かないようにしています。
ハイっ!ハザードスイッチの完成。
スイッチ穴もザグリ穴もキレイでしょう。
ハザードスイッチの配線
純正のコネクターを確認します。
4番・5番がスイッチ配線です。特に方向はありませんが、純正は5番が入力側になっているので、2極リレーから分岐させた常時電源の配線を接続します。4番の配線は、2極リレーの7番に接続します。
7番・8番が照明配線です。これも特に方向はありませんが、純正は7番が入力側になっているので、イルミ配線に接続します。8番の配線は、アースに接続します。
新品でスイッチを購入しても、上記のコネクターは付いてませんから購入します。090型コネクタ-は下記の2社が手に入りやすいです。
コネクターの4・5・7・8番の位置に配線した端子を挿入して組み立てます。
スイッチ・照明ともに大した電流は流れませんから、0.5sqの自動車用電線(AVS)を使います。アースやリレーを車のどこに設置するかによって配線長さは変わります。とりあえず今回はアース線だけ1m、その他の線は0.5mにしました。最終的な長さは車に接続するときに調整します。
2極リレーの配線
2極リレーには187型端子を使って接続します。
あまりホームセンターとかには売ってないサイズなので、上記のエーモンのセットが一番無駄なく使えると思います。ただし8個しか入ってないので、失敗は一度しかできません。
配線は何色でも良いのですが、全て色分けしたほうが分かりやすいです。
私は下記図面記載の色にしました。
クリックすると拡大します
1・3・4・5・6番の配線は最大7A流れるので、0.75sq以上の自動車用電線(AVS)を使います。1.25sqだと安心ですが、車側の配線に接続するときに嵩張ります。
結線については下記の記事を参照してください。
配線長さは、アース線は0.8m、4番は0.4m、その他は0.5mとします。
4番からの配線の先端には整流ダイオードを2つ付けて分岐させておきます。整流ダイオードは方向に気を付けて、リレー側から先端に流れるようにします。
ハイっ!これでハザードスイッチ(ユニット)の製作はお終い。
長くなってきたので今回はここまで。
次回はハザードスイッチの取付けです。
乞うご期待。