ランクル70の運転席
以前、運転席背もたれの角度が気に入らなくて調整をしました。
以降は特に気になるところもなく快適に使っています。もちろん完璧な座席とは言えないのですが、見た目も商用車っぽくて好きだし、意外にホールド性もあります。生地も丈夫で、なんだかんだで気に入っているのです。座り心地に優れたレカロに変えようと思ったこともありますが、純正座席を使っているうちに忘れてしまっていました。つまり必要がないということです。
しかし20年も使っていると、シートウレタンのヘタリが気になります。私のは比較的状態が良く、生地の破れなどは無いのですが、生地が弛んでいる箇所があります。ということで、シートウレタンの交換をすることにしました。
シートウレタン注文・その他必要なモノ
シートウレタン
運転席シートクッション品番 71501-60021 11600円(税抜)
再販76も同じ座席なので、シートウレタンも共通です。すでに部品の統一化もされているので品番も同じです。ちなみに再販76座席との相違点は、シート生地とヘッドレストです。
ホグリング
シートクッション交換するには、シート生地を外さなければなりません。そのシート生地はホグリングという金具で止められています。基本再使用しない部品なので新品を注文しますが、以下のように純正は高価です。
ホグリング
90468-16019 一個85円 白ビニールコーティングあり
90468-18008 一個70円 ビニールコーティングなし
ホグリングは座面だけで22個必要なので、純正品だと1540円になります。
社外品だと
ここは100個880円ですが、プラス送料が1000円ほどかかります。今後ホグリングを使う予定があるなら安いですね。背面のウレタンを交換したり、助手席のウレタンを交換するなら良いと思います。
ここは10個320円で割高ですが、純正の約半分の価格です。送料は120円なので少量ならお得です。まあ数百円ですけどね。私はここで買いました。
ヤフオク! - ヴィヴィオ/ビストロ シートリング ホグリング ...
同じものがヤフオクでも売られています。
ホグリングプライヤー
ホグリングをカシメるのに専用のプライヤーがあります。しかしトヨタ純正工具だと7000円くらいします。
この程度の工具を買っても良かったのですが、もう当分使うことはありません。しかも汎用性は全くありませんから、もったいないなあ・・・とケチってしまいました。
工具箱にこれがあるのでホグリングに使えないかなと思ったのです
結果的には、専用品のようにきれいにカシメることはできませんが、機能的には問題なくカシメることはできます。ラジオペンチを併用して形を整えました。
見た目にこだわる人や時間をかけたくない方は専用品を買ったほうがよいでしょう。
補修用ウレタンフォーム
後でまた解説しますが、シート生地裏打ちウレタンの補修用に購入しました。
トリコット付ウレタン 「カネフォーム3mm」
座席の分解
車両から座席の取り外し
これは省略します。
座席のシートレールを固定しているボルト4本外せば脱着できます。
シートレールの取り外し
これも写真に撮るの忘れてしまいましたが、左右レールに2本づつボルトで固定されているだけです。レールをスライドすればボルト頭にアクセスできるようになります。記憶も曖昧になってしまいましたが、1本だけスライドしてもボルト頭が見えない箇所があります。確かレール端部のピンを外せばスライド限界を超えることができてボルト頭が見えたと思います。ああ。やっぱり記事はすぐに書いたほうがよいですね。
背もたれと座面の分解
リクライニングレバー反対側のプラスチックカバーを外します。写真を撮り忘れましたがプラスネジ2本を外すだけです。
汚え!さっと掃除します。
まずはリクライニングレバーにつながるワイヤーを外します。赤丸内のボルトを外して、赤矢印部分のカシメを開くとワイヤーが外れます。
ここは第一の難関です。かなり硬いので要注意です。間に工具を差し込むことができれば、こじ開けられるのですが、ピタッと閉じられています。私はラジオペンチと薄いタガネを使って開きました。ワイヤーを傷つけないように養生したほうが良いでしょう。
前前写真の緑丸内のボルト2本を緩めます。
このボルトを外すとこちらのヒンジはフリーになり、反対側のヒンジのみとなります。反対側のヒンジはあまり強くないので、背もたれと座面をひねったりしないでください。
反対のヒンジは、ピンとEリングで固定されています。背もたれのクッションを潰さないとEリングが見えにくいですが、慎重にEリングを外します。この時も背もたれと座面をひねってはいけません。
背もたれと座面をひねってヒンジに無理な力を掛けると間に入っているプラスペーサーが割れます。私は知らなかったので割れてしまいました。このスペーサーを新たに発注していると運転席無しで通勤しなければならなくなるため、泣く泣く再使用しました。
フロントシートヒンジ スペーサ 71389-60040 70円
安いので事前に注文しておいて新品交換するのが確実ですね。
座面張り生地剥がし
まずは座面裏面の赤丸部分13箇所のホグリングを外します。
ホグリングの外し方
ホグリングは触っても怪我をしないように、尖った重ね部分は中側に回してあるので、ラジオペンチでつまんでクルリと回して重ね部分が見えるようにします。
写真のようにホグリングの尖った両先端にラジオペンチ先端を当ててグッと握ります。そうするとホグリングが緩みます。
ホグリング内側に隙間ができたら、そこにラジオペンチを差し込んでホグリングを広げます。ある程度隙間が広がったら、ホグリングをつまんでクルリと回すと外れます。
最初は上手く行かないかもしれませんが、何度か繰り返すとコツがわかると思います。
一辺にはホグリングが3個あり全て外すと生地内の鉄芯が抜けます。
それぞれ長さ・形状・太さが違いますから、元に戻せるよう記録に残しておきます。
おそらく鉄芯はサビてますから、再使用するならサビ落として防錆処理(サビチェンジャーや塗装など)をしておきます。生地(塩化ビニール)との相性があるから本当は新品に交換したいところなのですが、単品購入できません。おそらく生地を買うと付属されているのだと思います。
ホグリングも丁寧に外せば再使用できそうです。私は分解するまでホグリングの総数が分からず、新品は20個しか買わなかったので結果的に数本は再使用しました。純正は銅製なので数回曲げたくらいでは疲労破断することもないから大丈夫だと思います。
角のホグリングも忘れないように外します。
生地をめくると黄色い粉がたくさん落ちてます。やはり中のスポンジが加水分解してるよ(泣)まあ20年ですから仕方ありません。
写真撮り忘れてますが、全てのホグリングを外したら、後ろ側から生地をめくると外れます。使い込んだシートウレタンは全体に縮んでいるので外すのは難しくありません。ただし無理は禁物です。ほとんどの方は生地を再使用すると思うので破れないように慎重に。特に角の部分や塩化ビニールの部分は弱いので注意してください。
私はこれで生地が外れると思っていたのですが、座面表側にもホグリングで固定されています。上写真の赤丸の部分9箇所です。ここにはウレタンの中に鉄芯が仕込んであります(この鉄芯は外れません)
横側をめくったところです。
生地裏面にプラスチックの芯が布で固定されています。このプラ芯とシートウレタンに仕込んである鉄芯をホグリングで共カシメしているのです。
このホグリングは慎重に外さなくてはなりません。特にプラ芯を固定しているガーゼのような布が弱くて端から破れやすいです。私は少し破れたので似た布をボンドで貼り付けて補修しました。破らないに越したことはありません。
前側をめくったところです。
こちらは鉄芯が袋状の布の中に挿入されてます。めくりながらプ鉄芯にテンションがかかった状態でホグリングを外さないとならないので少々難しい。最悪古いクッションは捨てるのでクッション側を破壊すれば外れます。生地を状態を維持することが大事です。
20年使い込んだシートウレタンの状態
想像していたとおりの劣化具合。乗り降りするときに負担の掛かるサイドサポート部分のウレタンが裂けて・めくれてボロボロでした。センターとその他で色が違うのは、センター部分だけ生地裏張りウレタンが分厚くて紫外線の影響受けにくいからだと思います。
製造年月日のスタンプが押されています。2000年1月26日製造。約22年間お疲れ様でした。
新旧を比べると少し形が違います。変更されたのか、長年の使用で変形したのか分かりません。さらに全体的にサイズが縮んでしまってます。一番大きな違いは弾力性です。新品のウレタンはムチムチとして反発力もありますが、使い込んだウレタンは新品に比べてかなり劣ります。この比較をすると交換して良かったと嬉しくなるのです。まだ作業は終わってませんけどね。わはは。
長くなってきたので今回はここまで。
次回はウレタン交換・生地張りです。
乞うご期待。